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間違われやすい石 [天然石]

 地球上には様々な鉱物がありますが、
ぱっと見た目の形や色などで間違われやすい物があります。
過日のヘミモルファイト(異極鉱)とカルサイト(方解石)、
アラゴナイト(霰石)もそうでしたが、
今日は色で間違われやすい石・・・・ということで、

ダイオプテース(翠銅鉱:ダイオプテーゼ、ディオプテーゼ)

のお話を。

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 この石は珪酸塩のグループの中のサイクロ珪酸塩の仲間です。
名前は”環状”を意味する接頭語”cyclo”を取ったもので、
SiOの4面体が頂点を共有して環状(リング状)に繋がった構造単位を持っています。
別名リング珪酸塩とも呼ばれています。

 ちなみに、サイクロというとサイクロン(Cyclone)という竜巻や
某メーカーの掃除機が思い出されますが、
いずれも”蛇のとぐろ”という意味から付けられたそうです。
とぐろも見方によっては環状だし、
きっとダイオプテースを分子レベルで見ると蛇のとぐろのように見えるかもしれませんね。
・・・蛇が嫌いな方、すみません[あせあせ(飛び散る汗)](そういう私もあまり得意でないです・・・××)

 さて、ダイオプテースはエメラルドのような緑色~青緑色を呈しています。
16世紀にカザフスタンで発見された鉱物で、
採掘されたものがロシア皇帝に献呈された際にはエメラルドと誤認された程だそうです。
ただ、エメラルドと決定的に違う点は脆くて軟らかいというところです。

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 硬度5で劈開が完全なダイオプテースに対し
エメラルドは硬度7.5~8で劈開が不明瞭。
もし、ほぼ同じだったらX線検査で詳しく調べてみないと
ぱっと見た目だけでは分からない状況だったかもしれません。

 ちなみに、ダイオプテースの名前は非常に透明度の高い結晶もあることから
ギリシャ語で”通して””見える”という意味の
”dia””opazein”から名づけられたとか、
”透明で良く見える”という意味の”diaopsomai”に由来していると言われています。

 透明な石には弱い多色性が認められますが、
色が濃くなると半透明な石に間違われる程だそうです。
それは色が濃くなることによって光の大半が透過しなくなる為で、
我が家のダイオプテースも輝きはあるものの半透明っぽく見えます。
(輝きが強いのは分散度が高いためで、ファイア効果が見られる場合もあるようです。)

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 良質な石はロシアやナミビア、ザンビア、カザフスタン等で産出されます。
結晶質の集合体または細粒塊状の集合体として銅鉱脈の酸化帯に生成されますが、
大きな柱状の単結晶で産出されることは稀だそうです。
確かにどの図鑑を見ても小さな結晶がわらわらと集まっているのが殆どです。

 石の特性のせいなのか、形成過程の条件のためなのか?
石が喋れたら直接聞きたいくらいです(^^;ゞ ・・・喋りまくられた日にはロマンの欠片も無いか・・・・。

 でもわらわら結晶が殆どの中、
エメラルドステップカットを施されたダイオプテースも見たので、
本当~~~にごく稀に大きな結晶が産出される事があるのでしょうね。
お目にかかってみたいものですわ^^
(ちなみに、カットされた石はちょい濃いめのエメラルドっぽかったですよ)

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