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ルビーの指環 Part2 [天然石]

 以前ルビーのお話を書いたのですが、
静~かに眠っていたルビーと最近やってきたルビーがありましたので
ちょこっと書こうと思います。
まずはこちらのルビーから・・・。

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↑ 画像左は母岩付きルビーの原石、右が母岩無しの原石です。

地球の鉱物コレクションに付いてきたルビーです。
ルビーの原石は既に我が家にあるのですが、
母岩付きのルビー原石は初めてです。
ルビーと言っても色が淡いのですが、
鉱物としてのルビーはこんな感じなのだという事が分かる1品です。

 ルビーは玄武岩などの火成岩や変成岩の中に存在します。
ルビーを含んだ岩石が崩れて川などに流され(流されている間水で磨かれる)、
砂利や泥と一緒に堆積されている事が多いようです。
(難しい表現だと”漂砂鉱床の水磨礫”となります。)

 そんなルビーは産地によって色が微妙~に違うようです。
タイでは褐色を帯びた赤色、
アフガニスタン、パキスタン、ベトナム産は明るい赤色、
インド、アメリカ・ノースカロライナ州、ロシア等は色が濃くて不透明・・・と
赤色と言っても様々な色調のようです。
(有名なのはミャンマー・モゴク産のビジョン・ブラッド(ピジョン・ブラン)ですよね。)

 そして、意外な事にルビーは蛍光します。
特にミャンマー・モゴク産のルビーは紫外線が当たるとより赤い蛍光を発します。
その原因は石に含まれているクロムにあります。
鉄分を多く含む他の産地のルビーとは違い、
紫を帯びた軟らかい表情の綺麗な赤色になるというから不思議です。

 ・・・そのような訳で我が家の原石にブラックライトを当ててみました。
蛍光したら良いな~と期待を込めて照射したところ、
見た目淡いルビーが綺麗に蛍光しました\(^^)/
と言っても撮影する時にはなかなか実際に見た様には撮影できず、
思い切りぼんやりした画像になってしまいました・・・・orz

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 自然光で見ると淡い色のルビーでも蛍光してくれたので、
我が家の母岩付きルビーは鉄よりもクロムを多く含んでいるのかしら・・・。
って事はミャンマー産でしょうか?
特に○○産という表示が見当たらなかったので何とも言えないのが残念です。

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 ついでにルビーのペンダントトップにもブラックライトを照射してみました。
母岩付きルビーの原石よりも大変強い蛍光を呈しています。
このペンダントトップも産地表示がなかったので何とも言えないのですが、
多分ミャンマー産かそうでなければクロムが多く含まれている
ルビーなのではないかと思われます。

 続いては我が家に静~かに眠っていたこちらのルースです。

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大きさ約8×6mmと比較的大きなこのルース、
いただき物と聞けばラッキーを思われる方が多いかと・・・。
でも、このルーズは本物ではなく、

合成ルビー(ベルヌイ法)

なのです。・・・とほほ・・・
某ネットショップでルースを購入した際におまけでいただいたのですが、
ぱっと見た瞬間”うお~~~、ラッキー[ハートたち(複数ハート)]と思ったものの、
合成ルビー(ベルヌイ法)の表示を見て、
これならおまけというのも不思議じゃない・・・と納得しましたorz

 時々見かける合成宝石、
スピネルやエメラルド、ラピスラズリ、トルコ石、珊瑚等、
以外に種類が豊富でびっくりです。
(ただ、ギルソン社のラピスラズリやトルコ石、珊瑚は
光学的・物理学的性質が天然と違うので真の合成宝石とは言えないようです。)

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(以前登場したコバルトガラスは青色着色剤として 酸化コバルトを使用した色ガラスの事のようです。)

 合成宝石の特徴は、実質的には天然宝石と同じ化学組成と
同じ結晶構造を持っているので
光学的性質も物理的性質も非常に良く似ているそうです。
ただ、実際のところ双方はインクルージョンの違いで鑑別できるようです。

 合成方法としてはベルヌイ法(ベルヌイの火炎溶融法)
フラックス法(フラックス溶融法)の2つが主なものです。
(他にも水熱法とかフレームフュジョン法等色々あるようですが、じっくり調べてみたいと思います。)
フラックス法よりもベルヌイ法の方が結晶の成長が早く低コストの為
安く販売できるのだそうです。

 ただ、そのうち商業生産されているのは少数で、
一般的には工業用や化学的目的で作られているようです。
(でも、クレサンベールとかイナモリストーンとかありますよね。)
・・・というのも天然宝石には無い合成宝石特有のインクルージョンがある事と
異常なほど綺麗という点で簡単に見破られてしまう為だとか・・・。
非常に綺麗なのにお値段が妥当ではないという石には要注意かもしれませんね。

 そういえば、ルビーの見方の講座を受けた時に
大きくてとても綺麗なルビーの指環を身に付けてきた方がいらっしゃいました。
譲り受けたという石が本物かどうか鑑別して貰いたいというお話に
10倍ルーペならぬ顕微鏡でお店の方が鑑別したのですが、
残念な事に合成ルビーとの結果が出てしまいました。
(今思い返せば我が家の合成ルビーと形も色もそっくりだったような気が・・・。) 

 ただ、その指環は代々受け継がれてきた物だとのお話でしたので、
本物・贋物以前にその石には歴史の重みがあると思います。
大事に綺麗に身に付けていらっしゃる様子でしたので、
これからも子孫に受け継がれていくのでしょうね。

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optimist

いつもながら、素敵な説明に感心してしまいます。
ルビーの蛍光は、蛍光ピンク~♪って感じで綺麗ですよね。私も蛍光している写真を撮るのに苦労してますよ。見た感じを写真で表現するのが、本当に難しいです。

by optimist (2008-04-17 23:44) 

小夜

optimistさん、こんばんは。いつもコメント有難うございます。
ルビーの蛍光はとても鮮やかで綺麗ですよね。
撮影後も何度もブラックライト照射をして眺めていました。
しかし、蛍光やカラーチェンジの写真撮影は大変ですよね。
私の場合は片手にブラックライト片手にカメラなので、
手がぷるぷるしてきます。
見た目どおりの撮影も難しいですし・・・・。

by 小夜 (2008-04-18 00:02) 

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