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偽異極鉱は石の筍(たけのこ) [天然石]

 色々な鉱物を見慣れていないと間違ってしまう事があるもんですね。
まあ、この広い地球上には似たような鉱物が沢山あるから仕方ないのですが・・・。
ただ、染色してまで違う石を語るというのはどうなんだと疑問に思いました。
ショップさんだって信じて仕入れて販売しているのだから、
大元の鉱物を卸している業者はしっかりして欲しいと思ったりします。

 さて、今日は異極鉱だと思っていた石

カルサイト(方解石:Calcite)

のお話です。

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 事の経過は4月6日付と一昨日の4月20日付で書きましたので
省略しますがご了承くださいm(__)m


 さて、このカルサイトはアラゴナイトと同じ炭酸塩鉱物
化学組成もCaCOと同じ兄弟なです。
ただ、アラゴナイトの原子の結合が脆弱なため原子配列に変化が起こり、
カルサイトへと転移してしまう傾向があるそうです。・・・バージョンアップ?

 地殻の中には70種類以上の珪酸塩鉱物が存在していますが、
その大部分をで占めるのが

ドロマイト(苦灰石:Dolomite)
シデライト(菱鉄鉱:Siderite)

と、今日取り上げていますカルサイトの3つだそうです。
・・・となるとこのカルサイトはかなりポピュラーな石と言えますね。
実際に建物に利用されている大理石やセメントの原料は
カルサイトが集合して出来た石灰岩ですし、
エジプトのスフィンクスもカルサイトで出来ているそうです。
(古代エジプトでは方解石をアラバスターと呼んでいたようです。)

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 他にも透明度の高いカルサイトは偏光フィルターにも使われることもあり、
そんなことからオプティカルスパーとも呼ばれています。
因みに、カルサイトの英名の起源はラテン語で”生石灰”を意味する
”chalx”だそうです。

 結晶形態は多様で、
尖った犬の牙の様に見える

犬牙状結晶(dog tooth spar)

や、釘の頭のような結晶の

釘頭状結晶(nailhead spar)

板状、葉片状、ノジュール状、繊維状、鍾乳状、土状の集合体等
バラエティーに富んでいます。
また、先程石灰岩や大理石(トラバーチンを含む)を形成していると書きましたが、
他にも泥灰土の複合体として見かけられる鍾乳石や
石筍(せきじゅん:鍾乳洞の床に見られるたけのこ状の岩石)など
多くの種類の岩石を形成しています。

 硬度は3と脆く、劈開が三方向に完全なので、
ハンマーなどで叩くと菱形に割れます。
アラゴナイトとの見分け方はこの劈開を見れば分かりやすいと思います。

 ・・・・さて、結晶形態が様々存在するカルサイトですが、
一般的に無色、淡色、白色なので似たような結晶形態に染色を施せば
ヘミモルファイトに似てしまうのでしょうね。
でも、ヘミモルファイトはソロ珪酸塩鉱物なんですよね(ーー)
しっかりした機関での鑑別なら一目瞭然なのでしょうが
自分で見るとなると難しいものですわ・・・。

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 でも、石には罪は無い訳ですから、
願わくばあるがままの状態と正確な情報でお店に並んで欲しいと思います。
・・・いつものようにまとまりがないブログですみません[あせあせ(飛び散る汗)]

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