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黄金のベリル [宝石・ジュエリー]

 黄金のベリルというと黄色のベリルである

ヘリオドール(Heliodor:緑柱石)

が頭に浮かびますが、実は違います。
ベリリウムを含んでいるのに、ヘリオドールやアクアマリンなどの
ベリルの仲間とは違う石とは一体何でしょうか?
・・・それは

クリソベリル(Chrysoberyl:金緑石)

です。
今日はクリソベリルについてお話をしたいと思います。

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 このクリソベリルの化学組成は

BeAl

で、酸化鉱物の中の、複酸化物に分類されます。
組成の通りベリリウムとアルミニウムの酸化物で、
硬度が8.5と硬くて耐久性があります。

 ちなみにエメラルドを筆頭とするベリルの仲間、
(アクアマリン、モルガナイト、ゴシェナイト、ヘリオドール)の化学組成は

BeAlSi18

で、珪酸塩鉱物の中のサイクロ珪酸塩に分類され、
硬度は7.5~8とクリソベリルに比べてやや低いです。

 名前の由来はギリシャ語で”黄金”を意味する”chrysos(クリソス)”
ベリル元素を意味する”Beryllos(ベリロス)”に因んでいます。
この石で思い出されるのはシャトヤンシーの出る不透明な石の

クリソベリル・キャッツアイ

と、カラーチェンジをする

アレキサンドライト

の2つですが、透明度の高い緑色や黄色の石もあります。
その透明度の高い緑色や黄色の石は、
綺麗にカットされるとファイヤーは見えないものの、かなりキラキラ輝きます。
・・・きっと名前もそんなところから名づけられたのでしょうね。

 そのような透明な石の中でも

パロットクリソベリル

と呼ばれている石はオウムのようなネオン感のある鮮やかなライムグリーンの石で、
幻のクリソベリルと呼ばれる程稀少だそうです。

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 さて、この石は他の造岩鉱物中圧倒的な耐久性を有しているようです。
何と、クリソベリルよりも硬い石はダイヤモンドコランダムだけというから驚きです。
その様に硬いため、風化した岩石から洗い出されたクリソベリルが
河川の砂礫の中から出てくることがあるそうです。
(一般的には花崗岩や花崗岩ペグマタイトから産出されるそうです。)

 現在は大部分が掘り尽くされてしまったようですが、
最高級のクリソベリルはアレキサンドライトも含めて
ロシアのウラル地方で産出されていたようです。
また、他の地域ではブラジル、ミャンマー、スリランカ、
マダガスカル等から産出されているようです。

 そういえば、最近色々な鉱物でシャトヤンシー効果が見られるものが登場して
××キャッツアイと呼ばれるものがあちこちで見かけるようになりましたよね。
多分キャッツアイのような××(石の名前)という事で呼ばれているのでしょうが、
宝石でキャッツアイは通常クリソベリル・キャッツアイを指すそうです。
色はハニーカラーと呼ばれる蜂蜜色やアップルカラーと呼ばれる黄緑色が
価値が高いと言われています。

 私は結構シャトヤンシーを見るのが好きなので××キャッツアイはあるのですが、
肝心な本家本元のキャッツアイがありません(大汗)
”ミルクとハチミツ効果”と呼ばれる明暗の影、
シャトヤンシーをじっくり眺めてみたいものです。

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