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確かに名前の通りだった [天然石]

 今日は過日もお話ししましたが、

スピネル(Spinel:尖晶石)

のお話です。
以前は原石が手元に無かったのでカットされた石をアップしましたが、
最近小さいながらも綺麗な原石がやってきましたのでアップしつつ
過日書けなかった事を補足で書きますね。
(・・・といっても立派な内容ではありません^^;ゞ)

 スピネルの化学組成は

MgAl

で、サファイアルビー等のコランダムや
クリソベリル(金緑石)と同じ酸化鉱物の仲間です。
・・・おっと、ヘマタイト(赤鉄鉱)を忘れとりました(ヘマタイトも酸化鉱物です)。

 酸化鉱物とは、ぎっちり詰まった酸素の隙間に金属又は
半金属が入る構造を持った鉱物だそうです。
(構造図を見ると、酸素と酸素の間にアルミニウムやマグネシウム等が
入って結合している図となっています。)
この酸化鉱物は一種類の金属(半金属)と酸素が結合した

単純酸化物

と、二種類の金属(半金属)と酸素が酸素が結合している

複酸化物

の二種類に分類されるそうです。

 スピネルは化学組成を見ると
酸素にマグネシウムとアルミニウムが結合しているので複酸化物です。
(コランダムは酸素とアルミニウムが結合しているので単純酸化物です。)
この複酸化物ですが、二種類の金属(半金属)イオンの入る位置があり、
いわゆる”住み分け”をしているというところが面白いですね。
結合に規則性を持たせる事によって鉱物を安定させている・・・というところでしょうか。

 ちなみに、スピネルの仲間としては亜鉛スピネルフランクリン鉄鉱クロム鉄鉱
という鉱物があるようですが、いずれも複酸化物です。
でも、フランクリン鉄鉱の化学組成を見ると(Zn,Mn,Fe)(Fe,Mn)
カッコで括られているものは1つのものとして見るのかしら?
・・・多分そうだろうな・・・それなら複酸化物といえるぞ(と勝手に解釈・・・orz)

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 さて、この画像の原石はレッドスピネルです。
大きな結晶が1つと対極にごま粒よりも小さい結晶が1つ。
計2つの結晶が母岩についています。
ちなみにこの母岩は大理石で、
産地がビルマのモゴックというから私的には大喜びです。

 なぜ私が喜んでいるのかというと、
良質ルビーが産出される事で有名なモゴックから産出された石だからです。
特に、ルビーは母岩が大理石の石は玄武岩が母岩の石と違い、
透明感が高くて鮮やかな色をしているそうです。

 その様な話やスピネルはコランダムと共産される事が多いと聞いていたので、
スピネルもきっと母岩が大理石なら綺麗だろうな~と期待していましたが
想像以上に大変綺麗でした[ぴかぴか(新しい)]

 前回のルビーといい今回のスピネルといい、
母岩付きの原石というものを見たのは初めてなのですが、
これほどコントラストのはっきりした原石はスピネルが初めてです。

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 一瞬”後からくっつけた?”と見間違う程のはっきりくっきり感。
それも、大理石の白さとスピネルの透明感のある赤みのなせる技ですよね。
全体の大きさは28×22×23mm、結晶の大きさは6×3.8mmと小さめですが、
小さい事なんて気にならない存在感です。

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↑ カットされるとこの様な感じになるのでしょうか?
ちなみにこちらは約4×3mmのピンクスピネルなのですが・・・・。

 おまけに、今回の原石を見てスピネルの名前の由来に納得されられました。
スピネルの由来は”小さな棘”を意味するラテン語の”spinella”
”尖った先端”を意味する”spina”に由来していると過日書きましたが
確かに尖っています。・・・と言っても針の様に尖っている訳ではありません・・・。

 昔の人って初めて産出された地域名や発見者の名前に由来する石を除けば、
石1つ1つの特徴をつかんだ名前をつけているな・・・と思います。
 でも、時々

”いくら本当でもそこまでストレートに言わなくても・・・[たらーっ(汗)]

という様な由来からくる名前の石もあるので、
石にとっては少々気の毒なような気がします。
まあ、名前でその石の特徴が何となく分かるので、有難い気もしますが・・・。

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