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ラズベリードリーム [宝石・ジュエリー]

 微妙なさじ加減で見た目は似ていても実は違うという事は多々あります。
料理も、いつも作っているものが作る時の状況で
普段より甘かったり塩辛くなったり・・・。
今日は自然のさじ加減でベリルの仲間と思われた石、

ベツォタイト(Pezzottaite)

のお話です。
この石はペツォタイトという名前よりも

ラズベリル

という名前の方がポピュラーかもしれません。

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 この石は21世紀に入って初めての新種の石だそうです。
2002年12月に宝石商であるローレント・トーマス博士
マダガスカルの首都でアンバトヴィタで産出されたこの石に出会いました。

 今まで見たこともなかった石に、
彼は友人のフェデリコ・ペツォッタ博士に鑑定を依頼しました。
この石はベリルに似ていたことから、
とりあえずラズベリー・ピンクをしたベリルという事で
ラズベリルという仮の名前が付けられました。

 翌年の2003年のツーソンショーでこのラズベリルがデビューし話題をさらい、
日本でも新聞で取り上げられたようですが、
同年9月にこのラズベリルはベリルに近い鉱物の新変種として
IMA(国際鉱物学協会)で登録受理となり、
新宝石ペツォタイトと命名されたそうです。

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↑ 上の画像はモルガナイト(ピンクのベリル)です。

 ピンクのベリルというとモルガナイトが思い出されますが、
このペツォタイトはベリルと鉱物特性値が微妙に異なっていました。
特に屈折率がモルガナイトは1.577~1.583のところ、
このペツォタイトは1.616~1.617と明らかに高かったのです。

 ペツォタイトの色はモルガナイト同様マンガン元素に起因していますが、
セシウムとリチウムの両元素の含有量が多いことが分かりました。
(モルガナイトの色はマンガンと微量のセシウム元素に起因します。)
特にセシウムの含有量がモルガナイトの数倍(約20%)だそうです。

 ・・・更にセシウムとリチウムのいずれかがベリルの主成分である
ベリリウムと置き換わったのがペツォタイトなのでは・・・
という説が現在有力なのだそうです。
もし、この説が本当ならペツォタイトはベリルの仲間ではないですよね。
でも、化学組成を見るとベリリウムも入っているんですよね・・・・・。おや?

 さて、このペツォタイトですが、
原石レベルでオイリングという含浸処理を施されているそうです。
・・・エメラルドも含浸処理を施されている物が大部分ですよね。
このような訳で、いわゆる未処理の石は残念ながら見かけることが出来ないようです。

 ただ、含浸処理が素材自体の耐久性の劣化に
影響を及ぼすのかどうかは不明だとの事。新種ゆえに情報不足だというのが痛いところです(><)
でも、この石も徐々に解明されて情報が増えていくのでしょうね。

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