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夏が来れば思い出す [宝石・ジュエリー]

 ・・・最近すっかり石のお話から遠ざかっていました。
暑くて考えるのが嫌というか・・・だるいというか・・・
などど馬鹿な事を言っていたら軽く風邪をひいてしまいました。
”馬鹿は風邪ひかない”といいますが、夏風邪をひくのは本当の馬鹿だ・・・
という話も聞いたことがあります。
もし、現在風邪をひいている方がいらっしゃったらすみません(汗)

 このお話を聞いても私的には
 
”もともと自分は馬鹿だし、まいっか[晴れ]

と気楽なものですが、
いかんせん風邪をひくと必ず咳が止まらなくなるのでその点が辛いですね><
もともと気管があまり丈夫じゃないので暫く咳との格闘の日々です。
早く治るといいな・・・・。

 ところで、夏というと私の頭に浮かぶ石は2つです。
1つはトルコ石(ターコイズ)ですが、もう1つは今日お話しする

ラピスラズリ

です。

1904625 1904624

 2つの石はマット(不透明)な石で、
透明もしくは半透明な石に比べると一見夏場には暑苦しそうなのですが、
ブルーの色のおかげか全く暑苦しさを感じさせません。
さらに、不思議なことにこの石とイエローゴールドを合わせると
非常にオリエンタルな雰囲気で、なぜか夏ぴったりになってしまうので不思議です。

 さて、このラピスラズリという石は実はさまざまな石を含んでいます。
メインのは

ラズライト(Lazurite)

と呼ばれる鉱物で、鮮やかな青い色はこのラズライトに由来しています。
この石の他に、

ソーダライト(Sodalite:方ソーダ石)
アウイン(Hauyne:藍方石、アウイナイト)
パイライト(Pyrite:黄鉄鉱)
カルサイト(Calcite:方解石)

を含んでいます。
・・・アウインもパイライトもカルサイトも以前お話をしたので、
メインのラズライトをピックアップしてみると
この石は珪酸塩鉱物の中のテクト珪酸塩鉱物に分類されます。
化学組成は

(Na,Ca)7-8(Al,Si)12(O,S)24
〔So4,Cl2,(OH)2〕

と非常~に長いですーー;
ちなみに、ラズライトの名前は

”青”を意味するペルシャ語のLazhward



”天”もしくは”空”を意味するアラブ語のLazaward

に由来し、中世ヨーロッパで使われ始めたのだそうです。
この石を主要鉱物としたラピスラズリは
接触変成された結晶質石灰岩中から産出する比較的稀な石です。
アフガニスタンを主要産地とし、チリやイタリア、アルゼンチン等でも産出されます。

1975688

 顔料や化粧品、医薬品の他に象嵌(ぞうがん)やビーズ、宝飾品として
古代から使われてきました。
古代エジプトのスカラベ像やあの有名なツタンカーメン王のマスク、
紀元前2600~2400年に作られた”ウルのスタンダード(旗章)”、
中国の匂い瓶などなど、年代や場所を問わずに使われてきました。
 
 ところで、このラピスラズリには合成のものもあります。
着色したジャスパーと銅のインクルージョンでて来ているものとか、
粉末の原料をプラスチックで固めたものなどがありますが、
有名なのはギルソン社のラピスラズリでしょうか。

フランスのピエール・ギルソンによって粉末の原料を焼結して作り出された石ですが、
天然のラズライトに組成が近いそうです。
・・・でも、実際には本物よりも柔らかいそうです。
ギルソン社というと他にも合成エメラルドや合成オパール、
合成トルコ石や合成サンゴも作り出しているというからある意味驚きです。
ただ、この合成宝石も彼が高齢になった時に家族に技術を引き継ぐことなく製造を止めたそうです。

 また、きれいな青い色の石の産出が少なくなり、
白いカルサイトが多めの石がたくさん産出されるため、
カルサイトを青く着色しているものもあるということなので要注意ですね。
・・・実際はなかなか見分けがつかないのでしょうが・・・・orz

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