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宝石の品質の見分け方教室・サファイア編 4 [雑記]

 ・・・さらりと書くつもりがまとまらなくてシリーズになってしまいましたが、
今週いっぱいで終わりますのでどうかお許しください・・・。
と言う事で、今日は天然非加熱と加熱の違いとについて書きたいと思います。

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↑ ※ サファイアということでアップしただけで、特に深い意味はありません^^;

 ショップで見かけるものは大変きれいな色をしています。
ただ、必ずしも天然の物すべてがきれいな色をしているという訳ではありません。
中には本当に手を加えなくても綺麗なものがありますが、
あと一歩及ばず・・・という石はちょっと熱をくわえてあげたり、
他の元素を加えることによって綺麗な色を引き出すことができます。

 また、石の特性によって、脆いものは樹脂をしみこませて強度を補ったりします。
人間も”すっぴんのまま”とか”メイクをする”とか”整形する”とか
状況に応じて様々ですが、
石も人間同様に手が入っているわけです。
・・・と言っても宝石は全く自然のものはないというお話です。
 
 だって、掘り出すのもカットするのも枠にセットしたりするのは
人間の手で行われている事なのですから、
全く人の手が加えられていない・・・と言えないのだそうです。
・・・そう聞いて思わず”そう言えばそうだった”と納得してしまいました。

 さて、天然非加熱と加熱の違いはぱっと見た目は分かりませんが、
顕微鏡(時にはルーペ)を使えば分かります。
違いは

インクルージョンがあるか否か?

だそうです。
天然非加熱サファイアの特徴的なインクルージョンとして
60度120度で交差した幾重もの筋

シルクインクルージョン

と、
手の指紋のような

フィンガープリント

と呼ばれるインクルージョンが見られます。
特にシルクインクルージョンは天然非加熱のルビーにも見られるもので、
このインクルージョンが規則正しく幾重にも並ぶと透明度はなくなり、
条件が整うとアステリズム(星状の光彩効果)が見られる
スターサファイア(スタールビー)となります。

 今回天然非加熱のスリランカ産ブルーサファイアを顕微鏡で見せて貰いましたが、
大変きれいなシルクインクルージョンとフィンガープリントを見ることが出来ました。
これらのインクルージョンは加熱すると消えてしまうそうなので、
判断しやすいと思います。

 一方、加熱処理でも新加熱処理と言われるものが最近登場しています。
これはベリリウム等の他元素を添加して加熱する処理で、
拡散加熱処理とも言われています。
従来の加熱処理を人間でいうところの”薄化粧”と例えるならば、
拡散加熱処理は”整形”と例えてよいかもしれません。

 本来構成されている元素に外から他元素を加えるのですから・・・。

 こうして作り出される石は大量にできるので比較的安く手に入れることができます。
ただ、加熱処理でも石に影響を及ぼさないとは限らないのに、
こうして他の元素を加えるといったいどのような影響が石にあるのでしょうか?
もしかしたら、寿命が短いかもしれないし、従来よりももろくなっているかもしれません。
全く影響がないとはいえないのではないかと思います。

 もし、鑑別書をとるとしたら、石によっては従来の鑑別に加えて
(高感度な)軽元素分析検査を行うのが確実なようです。
実際のところ、プチ鑑別では加熱・非加熱は分かるものの、
従来の加熱処理か新加熱処理かは分からないそうです。
(調べてみると、新加熱処理を施した時の特徴的なインクルージョンはあるようですが・・・)

 ・・・そう考えると、我が家のリングは鑑別を行った方が良いのかもしれません。
プチ鑑別の結果、微妙な雰囲気が・・・ーー;
講師の方に

”某メーカー(タイ)の石で、鑑別書(カード)が付いている物もある”

とお話をしたところ、

”タイの鑑別書(カード)は当てにならない”

というお話が。

タイ国立の研究機関G.I.T発行のものでもダメなのかしら・・・?
実は密かに購入先のショップさんにに事情をお話しして
有料でその鑑別書(カード)を譲っていただければと思っていたのですが、
そのようなお話を聞いてしまうと”しっかり腹をくくらないといけないのかな?”
と真剣&大げさにも考えています。 ・・・・どないしよ・・・・(汗)

 ・・・と言ったところで、明日のプチ鑑別結果に続きます・・・orz 引っ張りすぎ?

 最後にちょっと余談です。
講師の先生に耳寄りなお話を聞いてしまいました。
コランダムに関してですが、

サファイアにあっては現在から28年前より古いもの
ルビーにあっては現在から18年前より古いもの

天然非加熱の可能性が非常に高いそうです。
(・・・その理由はよく分かりませんが・・・すみません、肝心な事なのに・・・ーー;ゞ)
現在これに当てはまる石の値段は当時の2~3倍の値段になっているそうです。
ごくわずかなジェムクォリティーやジュエリークォリティーの色石の価値も
上がってきているそうですが、
天然の未処理のものはより一層価値が上がっていくようです。

 冷静に考えれば、限りあるものだから掘り尽くせば鉱山は枯渇して
流通している物だけになるのだし、
その中でも天然・非加熱(未処理)となれば本当にごくわずかでしょうから・・・。
しか~し、悔しい事に、我が家にはそれだけ古い年月を経た石がないです。
残念です~>×<

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optimist

>**の鑑別書(カード)は当てにならない。
この**には、タイ以外の国も幾つか当てはまりそうですね^^;

by optimist (2008-08-14 20:59) 

小夜

optimistさん、いつもありがとうございます。

鑑別書のお話ですが、かれこれ4年位前でしょうか?
他のバイヤーさんから
”××と**のものは信頼できる”という事を聞いたことがあります。
肝心な××と**はメモらなかったので忘れてしまいましたが、
このお話からすると色々な機関で発行している鑑定書(鑑別書)は
あまり当てにならなさそうですよね・・・--;


by 小夜 (2008-08-15 13:17) 

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