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色々な猫の目 [宝石・ジュエリー]

 宝石でキャッツアイというとクリソベリル・キャッツアイの事を指しますが、
我が家には本家本元のキャッツアイはやってきていません。
・・・その代わりというのもヘンなのですが、
なぜか他の石のキャッツアイは結構やって来ています。

 今日は

キャッツアイ効果(シャトヤンシー:変彩効果)

についてお話をしたいと思います。
キャッツアイ効果は一本の光の帯が
まるで石の内部に存在しているかの様に見える効果で、
その様子はまるで猫の目の様に見えることから名づけられました。

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↑ アレキサンドライト・キャッツアイとエメラルド・キャッツアイです。

 この効果は変彩効果とも呼ばれますが、
難しい言葉を借りると

宝石内に含有されている他鉱物の微細結晶から反射される光
に起因する光学現象

の事だそうです。
この現象は太陽光の様に単一の光源でははっきりと見えますが、
複数の光源の下では不鮮明なったり全く見えなくなったりするそうです。

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皇帝アレキサンドル2世の宝石 [宝石・ジュエリー]

 昨日クリソベリルについてお話しましたが、
今日はクリソベリル続きと言う事で

アレキサンドライト(Alexandrite)

についてお話したいと思います。

 この石はご存知の通りカラーチェンジします。
最近は他の石でキャッツアイの様にシャトヤンシーが見られる石がある事同様、
カラーチェンジする石がちらほら見られますが、
ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドについで
5大宝石の冠を頂いているアレキサンドライトが本家本元と言って良いでしょう。

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 ちなみに、カラーチェンジする他の石たちは

カラーチェンジ××とかアレキタイプ××

と俗に呼ばれています。

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黄金のベリル [宝石・ジュエリー]

 黄金のベリルというと黄色のベリルである

ヘリオドール(Heliodor:緑柱石)

が頭に浮かびますが、実は違います。
ベリリウムを含んでいるのに、ヘリオドールやアクアマリンなどの
ベリルの仲間とは違う石とは一体何でしょうか?
・・・それは

クリソベリル(Chrysoberyl:金緑石)

です。
今日はクリソベリルについてお話をしたいと思います。

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アールデコ様式 [宝石・ジュエリー]

 今日は

マーカサイト(Marcasite:白鉄鉱)

についてのお話です。

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マーカサイトはパイライト(黄鉄鉱)と同じ硫化鉱物です。
2つの化学組成はFeSと同じなのですが、
マーカサイトは

斜方晶系(長さの異なる3本の結晶軸が90度で交差している)

パイライトは

正方晶系(同じ長さの3本の結晶軸が90度で交差している)

と結晶系が異なります。
(この様に同じ化学組成で結晶構造が異なる現象を多形と言います。)
酸性の水溶液が粘土、石灰岩、チョークなどの地層を通り、
地下へ浸透していく場合に比較的地表に近い場所に沈殿し形成されるそうです。

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ラズベリードリーム [宝石・ジュエリー]

 微妙なさじ加減で見た目は似ていても実は違うという事は多々あります。
料理も、いつも作っているものが作る時の状況で
普段より甘かったり塩辛くなったり・・・。
今日は自然のさじ加減でベリルの仲間と思われた石、

ベツォタイト(Pezzottaite)

のお話です。
この石はペツォタイトという名前よりも

ラズベリル

という名前の方がポピュラーかもしれません。

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 この石は21世紀に入って初めての新種の石だそうです。
2002年12月に宝石商であるローレント・トーマス博士
マダガスカルの首都でアンバトヴィタで産出されたこの石に出会いました。

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サファイアと間違われた石 [宝石・ジュエリー]

 今日お話する石は

ベニトアイト(ベニト石)

です。
 昨日はアイオライトが”ウォーターサファイア”という
フォルスネームを持っている・・・というお話を書きましたが、
今日の石も色合いから発見当初サファイアと間違われました。

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↑ 画像左がベニトアイト、右がサファイアです。

 1906年にアメリカ・カリフォルニア州のサンベニト郡で発見されたことに因み
ベニトアイトと名付けられました。
このサンベニト郡(ディアブロ山地)はベニトアイトの唯一の産地ですが、
既に鉱山は閉鎖されているため今後は既に産出された原石がカットされ、
少~しずつ市場に出る・・・という状態のようです。

 今年は既に放出終了とも言われ、
来年も少しだけ市場に出回るという噂があるようで、
このままいくと市場から完全に姿を消す日も遠くないのでは・・・と思われます。
天然資源で限りある物と分かっていても複雑な気持ちですわ・・・(ーー)

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ウォーターサファイアってどんな石? [宝石・ジュエリー]

 さて、まずは問題です。
ウォーターメロン(Watermelon)というとスイカの英名ですが、
ウォーターサファイアと言うと何の石を指すのでしょうか?

・・・・・・・・・・・・・・答えは・・・・・・

アイオライト

です。
アイオライトは

コーディエライト(菫青石:きんせいせき)

の宝石品質の石を指します。
石の名前の由来は紫を帯びた青色が菫色のようであることから、
ギリシャ語のスミレを意味する”ios”に石を意味する”lite”が付きました。
和名の”菫青石(きんせいせき)”は”スミレ(菫)の花のような青い色の石”
となるのでしょうが、そのまんまなので分かりやすいですよね。

(ちなみに、鉱物名であるコーディエライトという名前は
この鉱物を最初に発見した鉱物学者ピエール・コーディエ(コルディエ)に因みます。)

 一部ではイオライト(Iorite)と呼ばれているようですが、
実際は某社の登録商標でブルーアパタイトとカイヤナイトの
共生したものを使用した製品のことのようです。
イオライトで検索すると今日取り上げるアイオライトのスペルミスに辿り着きますが、
アイオライトとは無関係のようです。

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 珪酸塩鉱物のサイクロ珪酸塩の仲間で、
昨日書いたダイオプテース(翠銅鉱)スギライト(杉石)
ベニトアイト(ベニト石)等が仲間にあります。
硬度は7~7.5と比較的硬い石です。

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ディスティーン印のスパークプラグ [宝石・ジュエリー]

 最近珪酸塩の仲間のお話をしていますが、
今日は珪酸塩の中でもネソ珪酸塩の仲間である

カイヤナイト(藍晶石:らんしょうせき)

のお話です。

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名前は色調にちなみ、”暗青色”を意味するギリシャ語の”kyanos”に由来しています。
主として長い刀状の結晶として産出されるようですが、
時に柱状の結晶が放射状に集合している結晶体として産出する事があるそうです。
通常は青~青灰色ですが、緑色や無色の時もあります。

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タイミングの良い話題 [宝石・ジュエリー]

 昨日TVを見ながら翡翠について書いていたところ、
某番組で

金より高い謎の石

というお話を放送していました。
ちょうど翡翠とネフライトの違いについて書いていたので
”もしかして、ネフライトの事かな?”などと思いつつ放送を見ていたのですが、
予想通りネフライトのお話でした。

 この放送は中国での出来事を特集したものなのですが、
最近中国では玉と呼ばれる軟玉が非常に値上がりしているようです。
新疆ウィグル自治区のホータン(和田)地区で採れる玉(和田(ホータン)玉)が高価で
特に

羊脂玉(マトンファットジェード)

が高価なのだそうです。
この10年の間に価格は100倍にも跳ね上がったとか・・・。
・・・かなり凄いですよね(@@;)
ネットで探してみても高品質の翡翠に負けず劣らずのお値段でびっくりです[あせあせ(飛び散る汗)]

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↑ 画像のペンダントは翡翠(ジェダイト)です。  TVで見た羊脂玉に雰囲気が似ているのでアップしました。

 この和田玉は今年開催される北京五輪の各メダルにはめ込まれる事になっています。
金メダルには白玉(白い軟玉)、銀メダルには青白玉(水色っぽい軟玉)、
銅メダルには青玉(青い軟玉)がそれぞれドーナツ型にカット・研磨されてはめ込まれます。
メダルに石をはめ込むのは初めてだとか。
 
 長野五輪では木曽漆と七宝焼きのエンブレム、
そして精密金属加工の技術を生かした文字を刻印するなど特色が出ていましたが、
中国も玉を使うと言う中国らしいメダルになりそうですね。
そもそも軟玉は中国では支配権力の物質的表現を担っていて、
1世紀までにはジェードをまとう事が王宮の一般的な習慣として定着したようです。

 また、古代中国ではジェードには遺体を腐敗させない効果があると信じられ、
死者を埋葬する際にはジェードのプレートを金属で繋げた埋葬衣を身に付けさせました。
王族の埋葬衣はジェードを金の糸で繋げ、
上級貴族階級の埋葬衣はジェードを銀の糸で繋げ、
下位の貴族の埋葬衣はジェードを銅の糸で繋げたものを使用したそうです。

現在の埋葬方法と比べるとかなり贅を尽くした埋葬ですよね。

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硬軟あるけど翡翠と言うとやっぱり硬玉 [宝石・ジュエリー]

 以前はおばさんっぽいイメージを持っていたため身に付けるのを敬遠していましたが、
歳をとったせいか、素敵なデザインが沢山出てきたからか、
ここ数年見方が変わって積極的に身に付けるようになった石があります。
それは

翡翠(硬玉、ジェダイト)

です。
鉱物名はヒスイ輝石といい、ネフライト(軟玉、ジェイド)とは区別されます。

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 ジェイドと呼ばれる石には鉱物学的には今日お話しする翡翠(ひすい輝石)と
ネフライトに分けられるそうですが、
実際のところ翡翠は輝石族(単鎖イノ珪酸塩の鉱物)、
ネフライトは角閃石族(複鎖イノ珪酸塩の鉱物)ということで結晶の構造が違います。

劈開(へきかい:鉱物が平坦な面に沿って割れる性質)も
輝石族は約87度と93度に対して、角閃石族は約124度と56度だそうなので、
この点においても2つの石は明らかに違う石だということが分かりますよね。

 また、翡翠の硬度は6.5~7、ネフライトは6~6.5です。
こうしたことから区別する意味を込めてそれぞれ硬玉、
軟玉と名づけられたのではないかと思います。

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